ザ・スパイシー × 劇団鹿殺しRJP 緊急密談!

下北沢 CLUB Queにて。左から、スパイシーコウバヤシ、オレノグラフィティ(劇団鹿殺しRJP)、スパイシーナカーノ。
下北沢 CLUB Queにて。左から、スパイシーコウバヤシ、オレノグラフィティ(劇団鹿殺しRJP)、スパイシーナカーノ。


2019320日に下北沢CLUB Queにて開催されるザ・スパイシー自主企画ライブイベントシリーズ第一弾、その名も「FEEL THE SPICY」。

ザ・スパイシーが気鋭の共演者とともに、平成ラストに放つ魅惑のロック・ワンダーランドをどうぞお見逃しなく!

 

この記念すべき一夜に備えて、今回は共演者の劇団鹿殺しRJPさんからオレノグラフィティさん(ボーカル、エアギター&ドラム担当)、高橋戦車さん(エアドラム担当)をお招きし、都内某所にてスパイシーナカーノとの密談を行いました。

ここにその全貌をご報告させていただきます!

 

 

 

オレノグラフィティ&高橋戦車:どうも初めまして!

 

スパイシーナカーノ(以下「ナ」:本日はありがとうございます!320日の我々の企画「FEEL THE SPICY」で初対バンになりますが、今回はイベントを盛り上げるべく事前に色々と密談しておこうというコンセプトでお呼びさせていただきました。

 

高橋戦車(以下「戦車」:ありがとうございます!ところで皆さんお若いですよね?いくつなんですか?

 

:全員26歳ですね。

 

戦車:確かどなたかメンバーさんが地元同じで、同じ病院で生まれたんですよね?

 

:何で知ってるんですか!?((※ナカーノ&ゴンゾは同じ月に同じ病院で生まれている)

 

戦車:しっかりSNSで勉強してきましたので()

 

:メンバーはみんな、以前から池袋周辺で住んでいたり活動したりしていた人たちです。もともと結成は2011年の春、18歳のころで、当時は「スパイシーコウヤドウフ」っていう奇抜というか、和洋折衷的なバンド名でやってました。その後メンバーチャンジなどを経て、一昨年の10月にはキーボードのコウバヤシ君が加入して、音楽性も当初からは変わってきたんですよね。以前はバンド名でイメージを縛られちゃいがちな部分もあったのですが、もっと間口を広げるためにも「ザ・スパイシー」に改名しました。

 

オレノグラフィティ(以下「オレノ」:確かに「ザ・スパイシー」はどっちもいけますよね!まじめな感じもふざけた感じも。俺もオレノグラフィティを、改名しようかな()

 

戦車:ナカーノさんの方がオレノグラフィティっぽいですよね(確かに名前が先行する印象ってありますよね。僕らも鹿殺しなんで、怖いと思われたり過激なブッキングされがちですザ・スパイシーはシンプルな印象ですね。

 

:そうですね、音楽的にも王道のロック、いわゆるクラッシック・ロックと呼ばれるものとかに影響を受けています。ですが、単なるコピーやオマージュで終わらないようにしたいと心がけてますね。

 

オレノ:「YOY」とかまさに王道な感じですよね!

 

:色々知ってていただいて..ありがとうございます!

 

オレノ:しっかりSNSで勉強してます!(でも、ビリー少年では全員踊ったりもしてませんでした?

 

:あぁー!一時期そういう路線もやっていたことがあるんですが、それでは絶対鹿殺しさんに勝てないので!

 

戦車:体動かす路線ですね!

 

:劇団鹿殺しRJPの皆さんは本当に凄いパフォーマンス力ですよね。

 

オレノ:楽器が弾けないので本当に誰も弾けないんです。エアーバンドとしてはゴールデンボンバーよりも早いんですよ。

 

:気迫が違うというか、エネルギーの溢れ方が半端じゃないですよね。やはり舞台を知り尽くした人たちという印象で、会場の雰囲気に応じて機敏にお客さんのリアクションを受けながら変えてくるじゃないですか。そこはやはり演劇をやられている経験が強みになっているんでしょうか。

 

オレノ:逆にバンドマンの皆さんから学んだことは多いですよ。昔LUNA SEASUGIZOさんと一緒に舞台をやらせてもらった時に、「演劇楽しいね!」って仰っていて、「どういうところが楽しいんですか?」って聞いたんです。そうしたら、「演劇は「役」があるから、そのお面をかぶれば何でもできる。バンドは個人でしかないから自分そのままで勝負するしかない」って仰ってました。たしかに、バンドのライブを見ると、ありのままでお客さんと対決するんだって感じですよね。僕らは基本仮面をかぶらないと舞台に立てないんで、ライブではありのままで「向き合わないといけないんだ」と言うことをエアーバンドでは大事にしています。

 

:逆に僕らの場合、完全に仮面をかぶることや演じきることは難しいですからね。僕の場合、ステージに上がるときは半分がリアルで、あと半分はファンタジーというか、自分の理想、いわば「本当はこうなりたいんだ」っていう自分の姿になりきるイメージですかね。

 

オレノ:鹿殺しも去年の目標は「なりたい自分になる」でした。

 

:やはり到達点は同じということですかね!

 

オレノ:入り口は違うけれど目的地が同じのような気がしましたね。鹿殺しファンもスパイシーのことは好きになってくれる気がします。

 

 

 

:ちなみに、ライブハウスと劇場の違いってどんなところだと思いますか?

 

オレノ:ライブハウスの方がですよね。劇場のほうは、舞台に一度出ちゃうとお客さんの顔はこちらからあまり見えないですからね。上演するのは既に出来上がったもので、ある意味計算づくというか、「このストーリーで、この間なら笑うだろう」みたいな読みがあります。これは会場が大きくなっても変わらないものだと思いますね。

 

:ライブハウスに来るお客さんはやはりに触れたいという発想なんですかね。少しでも出演者の素顔が見たいと思っているというか。舞台だと作品を見るという感じかと思うので、お客さんの気持ちも違うのかなと思いますね。逆に鹿殺しの皆さんは素顔はどんな方が多いんですか?ライブのときとはどのくらい違うんでしょうか?

 

オレノ:人見知りが多いですね。内気というか、準備しないと何もできない!

 

戦車:ん~、真面目ですね、破天荒はいないです!逆にスパイシーさんはどうなんですか?

 

:うちはおとなしいんですけど、内に秘めた狂気というか、よくよく話すと「ん?おかしいぞ」みたいな人が多いですね(あと、そこにいるコウバヤシ君(※本日は録音・カメラ担当)と僕はもともと研究学会で出会ったんですよね。

 

戦車:研究学会?

 

:二人とも別々の大学院に行っていて音楽社会学系の研究をしてたんです。

 

戦車:すげー!大学院って...最先端な研究なんですか?

 

:いやまぁ、いろんな研究がありまして、そのなかで「ライブハウス研究」という、マニアックなんですけど、現場で働いている人たちの歴史とかをインタビューしたり調査したりっていう研究を二人ともやっていたんですよね。実はQueに出るキッカケも、ライブハウス界の生ける伝説と呼ばれる二位さん(※CLUB Queの前店長)にインタビューさせてもらったところからなんですよ~。

 

オレノ:なかなかそんな入り方ないですよ、インタビュアーから出演者って。

 

:そうですよね(それでインタビュー終わったときに「実はこんなバンドやってるんです」って音源を渡したら、それがブッキングの福田さんに渡って、っていう。

 

オレノ:そんなルートは聞いたことない!!()

 

オレノ:僕らは福田さんとは対バンで知り合ってます。8年くらい前ですかね?

 

8年!そんなに前なんですか?

 

戦車:そうです、RJP長いんです、2009年からやってます!ただずっと地道なんです。ずっと上がることなく

 

オレノMAN WITH A MISSIONさんともやらせていただきましたし、あいみょんさんとか、ピアノゾンビさん、打首獄門同好会さんとか

 

戦車:みなさん売れていきました!!(もう、今年こそは行きますよ!!

 

 

:今回はライブハウスでのイベントですが、普段ライブハウスにあまり来ないようなお客さんにも見てほしいなあっていつも思ってまして、去年は渋谷クアトロでのワンマンに純烈さんをお呼びしたりもしました。今回のイベントでも、鹿殺しさんをお呼びできて嬉しいです。

 

オレノ:劇団鹿殺しとして227日~310日にかけて舞台のほうで大きな公演を控えていて(※AKB48×劇団鹿殺し×コンドルズによる舞台「山犬」が池袋サンシャイン劇場、大阪ABCホールにて上演)、そこから毎月ライブをやっていこうというところだったので、お誘いいただけて嬉しかったです。新曲持って行きますよ~。

 

:曲作りで影響受けている方とかいるんですか?

 

戦車:鹿殺しは全曲オレノグラフィティが作ってるんです。

 

オレノ:特に影響受けているのは大槻ケンヂさんと、嘉門タツオさんですね。ナカーノさんは?

 

:そうですね沢山いますが、デヴィッド・ボウイやストーンズ、ビートルズはやはり影響を受けましたね。日本だとサザンも大好きですし。あと、ファンクやソウルミュージックも大好きです。

 

戦車:先日ストーンズを語るというラジオ番組やってましたよね?

 

:またもやチェックしてくれてますね!ありがとうございます(ラジオでスパイシーのメンバーがそれぞれ好きな曲を挙げたんですが、全員バラバラで、着眼点も違うし面白かったですね。新しいものを作っていくという面ではいろんな観点があったほうがいいと思うので。もちろん全メンバーが好きなことが一致している強さっていうのもあると思うんですが、微妙に違っている良さもあると思うので。

 

オレノ:ケンカとかになったりしませんか?殴り合いとか。

 

:殴り合いはまだないですが、衝突はありますよ!(でも、バンドはたとえ意見が割れても、とりあえず他のメンバーのアイデアを試してみると、思ってもみなかった良い結果が生まれて面白かったりしますね。

 

オレノ:鹿殺しは僕だけが曲を作っていて、メンバーからは要望くらいで、音楽稽古みたいなこともないので、楽曲を一緒に作るってどういうことなのかな~?と思いますけど、コード進行とメロディーがあってそこから始まるって感じですか?まだ、「クーラ・シェイカーっぽい中森明菜」っていう曲を作りきれずにいるんですよね…()

 

:そうですね、僕はそんなに器用な人間じゃないので、ピアノ弾いてドラム叩いて全部こなしてっていうわけにはなかなかいかなくて。やっぱりバンドでコラボレーションするのが好きなんですよね。例えば僕が曲の土台を作って、自分が思いつけなかったアイデアとかを他のメンバーからもらったり、逆に「彼だったらこう弾くだろうな~」と思って曲を作ったりして、相互作用で曲を完成させていくという過程が好きですね。

 

オレノ:素敵な環境うらやましいですね。「餅は餅屋」ってのが音楽を作るにはいいなと思ってて。弾ける方、好きな方、できる方はいっぱいいますからね。この人に頼んだら絶対こうなるってちょっとずつ分かってきて。最近ブリキオーケストラの絢屋順矢さんに「ちょっとここのギター弾いてもらっていい?」ってお願いしたら、5分くらいで返ってきて「おぉ~めっちゃいいやん!自分が何時間もかけてコード探したりしていたものが...」って思うくらいすぐだったんですよ。こうやって、誰かと組んでものづくりができるのもいい環境だなぁと。ちなみに最近はイケメンだけどチビな劇団員のためにテクノを作ったり、「あぁ~あの劇団員にフラメンコ躍らせたいな~」とか思って曲書いたこともありました。

 

 

 

:最後に僕から質問なんですが、鹿殺しさんが「エンターテイメント色の強い活動」を選んだキッカケは何だったんですか?

 

オレノ:もともとは劇団から始まってるんです。僕が入る前の劇団は、つかこうへいさんに元々影響を受けていて、舞台もエンタメというよりは熱い、情に訴える感じだったんですね。で、当時はそういう熱い舞台が全部終わった後にガラっていう演目をやっていて、その名残が今もライブでやっているタオパイパイとかなんです。正装というか、タキシードとかサスペンダーつけたやつらが、曲がかかると全員脱ぎだしてブリーフ一枚で「タオパイパイ!」っていう。

 

:おお、キャッチーですね

 

オレノ:そうですよね、僕もその頃はそっちのほうが好きで(尊皇攘夷とか、そういう難しい内容の時代劇の後の“ガラ”でティッシュ撒きながら「ウィーティッシュアメリクリスマス~」とか歌ってて、面白いな~と思って。それが発展して路上パフォーマンスになって、路上で食えるかもって東京出てきて。それで、そっちのほうがウケが良かったからだんだんそうなっていったっていう感じですね。“RJP”は路上パフォーマンスの略ですし。

 

:いやあ、歴史の重みを感じますね。

 

オレノ:まあ、上京したのが一番大きいのかも知れませんけど、当初から「どうやったら世の中の人が楽しんでくれるか?」っていうのはあったかも知れませんね。独自性も大事だけど、間口が広くないと、いろんな人に見てもらわないと何も伝わらないっていうことが座長・菜月チョビと代表・丸尾丸一郎の中にあったんだと思います。でも最近は世の中全体が間口を広げることばかりになってるというか、消費者の食わず嫌いを軽くしてるというか、マイノリティーがマジョリティーになってきて、いつの間にかマイノリティーがいないみたいな状況というかそれはそれで世の中のニーズにあわせていかなきゃとは思うんですが、個人的には根底にはアナーキズムを持ってやってますね。

 

:いやあ、本当に素敵ですね僕らも王道を目指しつつも尖った存在でありたいですね。それに結局、王道のなかの王道というか、それこそマイケル・ジャクソンもビートルズもサザンも、トップの人ってかなり尖ってますしね。

 

オレノ:いやあ、今度の対バンが楽しみですね。

 

:こちらこそとても楽しみです!よろしくお願いいたします!

 

 

 

【イベント情報】

2019320(下北沢CLUB Que

FEEL THE SPICY

 

出演:ザ・スパイシー、劇団鹿殺しRJP、工藤ちゃんのピンクローターズ

開場 18:00 / 開演 18:30

前売 ¥2,500 (ドリンク代別途必要)

 

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